利己か利他か

人間力
  • 利他的な人に起こる、人を動かす好循環
  • 利己的な人に起こる、人が離れる悪循環
  • 「ありがとう」から生まれる利他心
  • 周囲に愛を注げることがリーダーたる条件

rt
リーダーシップ、それは「人を巻き込み動かす力」ここではこのリーダーシップを、さまざまな要素に分解して考えていきます。今回は、「利他心」という観点からリーダーシップについて見ていきましょう。

利他的な人に起こる、人を動かす好循環

リーダーシップのひとつの要素として「利他心」があります。この心を持ち合わせてた人は、周囲に与えることに喜びを感じ、与えることから周囲の人望を集め、リーダーシップを発揮していくのです。

与えるというのは、ものをあげるとかおごってあげるという物理的なことだけではありません。誰もが与えることができて、しかも絶大な効果があるもの、それが「感謝」です。
リーダーシップを備えている人は、周囲が動いてくれることを当たり前だとは感じません。それは、自分ではなく相手を中心にして考えているから。相手の頑張りに目を向けられて、素直に「ありがたい」と感じることができます。

ペンをとってくれた、ゴミを出してくれた、お茶を入れてくれた……自分自身が満たされている人は、どんな些細なことに対しても感謝します。自分からあふれる思いを、「ありがとう」という言葉にのせて伝えます。それを聞いた周囲の人も心が満たされ、「この人の力になりたい」という思いが芽生える。ちょっとしたひとことや気遣いが生み出す好循環。これこそが、人を動かすリーダーシップに必要な利他的行動のひとつなのです。

利己的な人に起こる、人が離れる悪循環

逆に利己的な人の場合、他人に与えようという余裕がなかったり、そもそも与えることに意識が向かなかったりします。

利己は「自分が」出世したい、「自分が」お金を持って豊かになりたい、「自分が」有名になってちやほやされたいなどなど、「自分」を主語にした理想に支配された状態から生まれます。利己に支配されていくと、自分のことしか考えることができなくなるため、自分のために動いてくれる人への感謝がなくなります。会社や部下、家族や恋人が自分のためにやってくれるのが当たり前。そうなってしまうと、自分のために動かないのはおかしい、自分はこれだけ頑張っているのだからだから周囲も自分に協力して当たり前だと考えてしまう。自分に対しては甘く、周囲に対しては批判的な言動をします。こんな瞬間、ありませんか?

残念ながら、利己的な思いを原動力として動いている人からは、長期的に見ると人は離れていきます。利己的な思いであっても自分の夢を熱く語れる人はいますし、そうした熱に触発されて付いていく人もいるでしょう。しかしこれは仮初めのリーダーシップ。一緒にいると、言葉や挙動の節々に「全ては自分のため・自分が満たされたいため」という思いが顔をのぞかせます。そうして周囲の人から、「この人は結局、自分のことしか考えていないんだな」ということを見抜かれてしまう。一時的に人を動かせたとしても、長期的な人間関係にはならず、組織は崩壊してしまうのです。
自分自身の満たされないものを満たしたいという渇望感は、有能な人ならば個人で結果を出すことまではできるでしょう。しかし周囲を巻き込んで大きなことを成し遂げることは難しいのです。

「ありがとう」から生まれる利他心

これまでも述べたように、利己的な人は自分自身が満たされていません。自分に満足できていないと、ついつい周囲のせいにしてしまいがちです。「自分がこうなってしまったのは社会が悪いのだ」「周囲は何もしてくれない。自分がここまで頑張れたのは全て自分の努力のおかげだ」「世の中なんて信用できない。自分一人でのし上がっていこう」……そんな風に思ってしまうことはありませんか?

自分の利己的な面に気付けたとしても、その考え方を変えることはできるのでしょうか。もちろん可能です。ただ急に変化するわけではありませんので、周囲で見習いたい人の習慣を真似することによって、時間をかけて身につけ修正していくことが有効です。
職場を見渡してみましょう。隅にある観葉植物が元気なのは、誰かが水や栄養を与え、枯れた葉っぱを取り除くといった手入れをしているからです。今度手入れをしているところに出くわしたら、「いつもお手入れありがとう」と言ってみましょう。初めは素直に言えないかもしれません。心の底からそう思って言っているわけではないかもしれません。しかし、まずは口に出してみること。「真似をしているだけだ」というつもりで口にしてみましょう。
少し周囲に目を向けてみるだけで、「ありがとう」を伝えられる場面はいくらでもあります。まずは気付いてみる、そして伝えてみましょう。

何日か続けてみると、だんだんと自分の心が満たされ、周囲に対する見方が変わっていくことを実感できます。「言霊」という言葉もある通り、言葉にしているうちに考え方が変わるということはあるのです。こうしたちょっとした「ありがとう」を続けることで、「自分一人で生きているのではなく、生かされているのだな」ということを実感するようになります。するとますます「ありがとう」を自然に伝えられるようになり、周囲とも良好な関係を築けるとともに、強い信頼関係が生まれるのです。信頼はリーダーシップの根っこです。
初めは照れくさくても、抵抗があったとしても、「ありがとう」を口にしてみること。それを習慣化することが、リーダーへの第一歩であるといえます。

周囲に愛を注げることがリーダーたる条件

人を動かせる人、リーダーシップのある人というのは、相手がまず先にあり、その次に自分のことを考えます。相手を主体にして考えているので、相手の頑張りや苦労が自分のことのように感じられ、相手に自然と感謝を伝えることができるのです。
一方で人を動かすことのできない人、リーダーシップが備わっていない人は、自分がまず先にあり、その次に相手のことを考える。自分の頑張りにフォーカスしすぎていたり、相手は自分にとって有益か否かに関心が向いていたりします。こういうタイプの人の傾向は、すぐに相手に対する不満を口走りますし、自分の思い通りに動いてくれない人に怒りをぶつけたりします。しかし「怒り」は自分も相手もストレスを感じさせることになり、短期的に動かせても長期的に人を動かせなかったり、関係が決裂してしまったりするのです。
周囲に愛を注げる人格、それこそがリーダーたる重要な条件のひとつです。
→リーダーの行動力とは?

「ありがとう」は、自分を満たし、周りを動かすキーワード

※SOOLでは、未来を志す求職者様向けに役員、取締役、部長を求める企業からの求人情報をご提供(キャリア相談無料)を行っております。

yuma
yuma
SOOLファウンダー。異彩人材を次々に惹き付ける独特の声、才能を引き出す不思議な眼力を持ち、人間をこよなく愛する3児のパパ。子供達があこがれを抱くかっこいい大人で溢れる世界を作ることを目指して旅を続ける。同じ志とパワーを持つ伝道師の発掘と育成に命を注ぐ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ページトップへ戻る