リーダーシップと母性

リーダーシップ
  • 2時間おきに起こされる日々
  • 見返りを求めず捧げられる愛、それが母性
  • 職場でも発揮された母性
  • リーダーシップと母性

リーダーシップと母性

リーダーシップ、それは「人を巻き込み動かす力」。ここではこのリーダーシップを、さまざまな要素に分解して考えていきます。今回は、「母性」という観点からリーダーシップについて見ていきましょう。
私は7年前に初めての子どもを授かりました。私の心に母性が芽生えたことで、家庭だけではなく仕事に対する姿勢も大きく変わったのです。

2時間おきに起こされる日々

私には7歳と5歳の息子、3歳の娘がいます。一人目の子どもが生まれてからの1年間は、ろくに眠ることが許されない日々が続きました。
生まれたばかりの赤ん坊は身体が未発達なため、一度に多くの母乳を飲むことができません。そのため、約2時間おきに泣いてはミルクを欲しがります。赤ん坊には昼も夜もありません。夜の10時、12時、そして午前2時、4時、6時……文字通り2時間おきに泣いてはミルクを欲しがるのです。

母乳が出にくかったため、夫婦で協力してミルクを作ります。眠い目をこすりながら台所に立ち、粉ミルクとお湯を入れて、ちょうどよい温度まで冷まして飲ませます。飲み終わってげっぷを出させると、すーっと眠りにつく。寝顔を見てほっと一息、自分も眠りにつきます。しかしまたすぐに泣き声が響き、目が覚める……当然、妻も僕もほとんど眠れません。しかし眠れなかったとしても、朝になればいつも通り会社が始まる。そしてまた終電で帰ってきては2時間おきに起こされるという生活が、1年間続きました。
それまで自分が当たり前だと思っていた、夜はしっかりと寝て、朝気持ちよく目覚めて仕事に行くという生活が、我が子の誕生とともに、一変したのです。

見返りを求めず捧げられる愛、それが母性

1年間、ずっと体調のすぐれない日々でした。愚痴の一つも吐きたくなるようなことはありましたが、言ったところで解決してくれることはありません。泣きだせばきゅっと抱きしめたり、ミルクを飲ませたり。当然家の中は子ども中心の生活です。しかし「辛いな」と思っていたことが徐々に当たり前のことになっていく中で、少しずつ自分の心にも変化が生まれてきたのです。
「してあげることで感じる喜び」「愛おしい気持ち」こんな気持ちです。「辛い」や「こんなにしてやっているのに」といった感情とは真逆です。妻が辛い顔一つせずに幸せそうに抱きしめている姿を見ている中で、いつしか僕はこの感覚が「母性」だと思うようになりました。言い換えると、母性とは「見返りを求めることなく捧げられる無償の愛」なのでしょう。

そして子どもはその後それ以上のものを返してくれました。1歳になり、2歳になり、徐々に成長していく子どもの姿、返してくれる笑顔、初めて立ち上がった日、持てなかったスプーンでご飯を食べられるようになったこと、上手に話ができるようになる姿。これは何事にも代えがたい喜びをもたらしてくれたのです。子どもを育てることでエネルギーを使うこともありましたが、子どもからもらえるエネルギーはそれ以上のものでした。

職場でも発揮された母性

子育てを通じて得られた母性は、仕事をする上でも意識を変えることになります。「自分がしたくないから」という発想はなくなり、「まず、相手のために動く」という考えが身についたのです。

20代の頃の自分は、「自分がやりたいか・やりたくないか」が行動を支配していました。やりたいことは積極的に、やりたくないことは言い訳をつけたり遠回しにする、そんな風に仕事も選り分けていました。やりたくない仕事が振られた時には「やらされて嫌だな」と愚痴をこぼしてみたり、また必死になって頑張っている人を素直に応援できずに妬みを感じることもありました。しかし子育てを経験することで、そんな自分中心の考え方が取り払われていきました。「お客様が喜んでもらいたいから」「頑張っている人を心からサポートしたいから」という考え方に変わっていったのです。

また、どんなに疲れていても、「眠い」「つらい」などと周囲にこぼすこともなくなりました。職場は一緒にひとつの事を成し遂げるために集まっているのであり、「眠い」「疲れている」発言は、甘えであり、こうした利己的な行動の蓄積が組織を弱くすることを悟ったのです。意識せずとも発しているこうした言葉は、周囲から同情という形でエネルギーを吸い取っているのです。

家庭において常に子どもを中心に据えて考えているうちに、仕事においても、自分より優先してお客様や仲間のことを考えられる利他心が身についていったのです。母性は家庭に限らず、仕事においても存分に発揮されました。

リーダーシップと母性

リーダーシップとは、「この人について行きたい」と思えるような「人格」が備わってこそ発揮されるものであり、この根本を支えるのは「利他の心」だと思います。これまで伝えてきた「母性」もまた、利他的行動の一部ですから、リーダーシップとの結びつきも無視できないものなのでしょう。

リーダーシップと母性。一見、何ら関係のないもののように見えますが、「相手を主体に置く」「相手のことを思って行動する」という利他の面において、極めて学ぶべき点が多いものなのです。
女性のリーダーシップについてはこちらを確認する。

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yuma
yuma
SOOLファウンダー。異彩人材を次々に惹き付ける独特の声、才能を引き出す不思議な眼力を持ち、人間をこよなく愛する3児のパパ。子供達があこがれを抱くかっこいい大人で溢れる世界を作ることを目指して旅を続ける。同じ志とパワーを持つ伝道師の発掘と育成に命を注ぐ。

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