部下の成長を促すという視点を持とう

リーダーシップ
  • プロフィール
  • 周囲の声
  • 対話
  • アドバイス
  • 経過
  • ポイント

プロフィール

・K氏
・男性
・40代前半
・大手企業の管理職

周囲の声

「フットワークが軽く、スピード感をもって仕事をこなしていく」「新しいことに対しても躊躇なく取り組んでいける」「どんな課題が発生した時も、明るく前向きに解決しようとしている」といったように、仕事においては自ら進んで課題解決に向かっている前向きな姿勢が見て取れました。また、「部下の人となりを知った上で、適切にタスクを割り振っている」「オープンな雰囲気を作り出し、組織の課題を把握するよう努めている」といったように、自分一人だけでなくチームとして結果を出せるよう配慮されていることも垣間見えます。

一方で、「オープンではあるが、人によってとっつきづらいと感じる人もいるかもしれない」「自分と方向性が異なる人に対する理解が足りない面がある」といったように、K氏と働く人の中でも近寄りがたい、もしくはあまり理解されていないと感じる方がいることが分かりました。

対話

お会いした時の印象としては、よく話をしてくれてすぐに打ち解けられる方でした。ただ話をするうちに、「必ず自分の意見を主張」する、つまり相手よりも自分自身に関心の向いている方であることが分かってきました。
周囲がどのような考えかというのにはあまり興味を示さず、自分がどう考えているかを周りに発信したいという意欲が強いため、「人によってはとっつきづらい」という声がでている理由も分かりました。

この方は、部下が相談に来るやいなや、聴くよりも先に、アドバイスが始まってしまいます。部下が課題と自分なりの解決策をセットで持ってきても、K氏は部下の解決策に興味がありません。「自分は部下からも話しやすい上司で、現にいつも部下から相談を受けている」、そのように自分を評していたK氏でしたが、実際にはK氏が自分の考えを述べるだけの独擅場になってしまっていたのです。しかもK氏は社内でも優秀なプレイヤーなので、K氏の意見は確かに正しいことも多く、相談を持ちかけた部下はぐうの音も出ません。

K氏はチームの問題をよく把握し、全てリーダーが自ら率先して解決しています。一見すると問題がないように思えますが、実はK氏の率いるチームでは「人が育たない」という致命的な欠陥を抱えてしまっていたのです。

どのような問題もK氏のところに持って行けば解決する、そのような状況にあっては部下は依存するか萎縮するかのどちらかになってしまいます。何か問題が発生しても、「K氏のところに持って行けば全て解決してくれる」というように、依存してしまう状況です。もしくは、「どうせ自分の意見を持って行っても聞いてもらえない」と、K氏に対して萎縮し、自分の考えを述べるのを諦めてしまう状況です。いずれにしろ、K氏の下で働く部下は自分の頭で考えるということをしなくなってしまいます。K氏は部下の成長の芽を摘み取ってしまっていたのです。

アドバイス

K氏には、自分の意見を言うのをぐっと飲み込み、部下の意見に耳を傾けるようアドバイスしました。そのためのコツとして、「会話に間を作る」ということを伝えました。
ここでいう「間」とは、いわば相槌のこと。「うんうん」、「なるほど」、「そうだね」と一言入れることで、相手の意見をより多く引き出すことができます。さらには話し手にも「聞いてもらっている」という安心感や承認を与えることができます。

「それはこうすれば良い」「それは違う、正しくはこうだ」――部下が話している途中でそのような考えが頭をよぎっても、決して口を挟まない。しっかり聴いてしっかり応える。こうして建設的な意見の交換、すなわち対話に昇華させることができるのです。部下も自分の意見を述べた上でK氏の意見に耳を傾けることができるので、指示される内容は深く納得したものになるでしょう。
よほど緊急の事態でない限りは、部下を信頼し、できるだけ部下に考えさせる時間を作る。それが長期的に見て組織の成長につながるということに、K氏は深く納得されたようでした。

経過

K氏の率いるチームでは、徐々に活発な意見が交わされるようになりました。「間」を活用したことで、部下に考える機会が生まれ、より主体的に取り組めるようになったそうです。
安易に正解を伝えず部下の考えを聴くという姿勢にK氏は初めもどかしさを覚えたようですが、部下の新鮮な考えに触れることで勉強になる面もあるとのことでした。
K氏の意識の変化が、チーム全体に良い波及効果を生み出したのです。

ポイント

お腹をすかせた子供に肉を与えるか、もしくは「狩り」を教えるか――。ついつい「肉」を与えてしまうという人も多いのではないでしょうか。しかしそれでは、いつまでも自立できません。長期的な視点で「狩り」を教え、成長を見守る。リーダーたるもの、自ら率先して問題解決をするだけでなく、部下の意見ややり方を見守り、成長を促す視点も必要なのです。

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yuma
yuma
SOOLファウンダー。異彩人材を次々に惹き付ける独特の声、才能を引き出す不思議な眼力を持ち、人間をこよなく愛する3児のパパ。子供達があこがれを抱くかっこいい大人で溢れる世界を作ることを目指して旅を続ける。同じ志とパワーを持つ伝道師の発掘と育成に命を注ぐ。

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