想いを表現する

リーダーシップ
  • 思いは何回でも繰り返し伝えよ
  • 必死に伝えられる程の「迫力ある思い」を持っているか
  • 思いを語るのは自分自身のためにもなる

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リーダーシップ、それは「人を巻き込み動かす力」。ここではこのリーダーシップを、さまざまな要素に分解して考えていきます。

リーダーは自分の思いを実現するために、周りを巻き込んで事を成します。そのためには、まず自分の思いを周りに表現し、理解してもらわなければなりません。言葉で伝え、図にして伝え、何度でも伝えることがリーダーシップであり、「察しろ」というリーダーシップはないのです。
ここでは、リーダーシップの中でも「思いを表現する」という点について説明していきます。

思いは何回でも繰り返し伝えよ

冒頭でも述べた通り、リーダーは「これを達成したい、成し遂げたい」という思いを伝え、周囲を自分と同じくらいの熱意にまで引き上げることが重要なミッションです。自分の思いを理解してもらえているか否かによって、メンバーの働きは見違えるほど大きく変わります。
『BCG流 経営者はこう育てる』(菅野寛・日経ビジネス人文庫)によると、ボストンコンサルティンググループには

「N人に一度にコミュニケートする場合には、√N回コミュニケートしないと、一人にコミュニケートした時と同じ効果は生まれない」(※)

という経験則があるそうです。つまり1人に伝えるのと同じ効果を100名の組織に伝えるには、10回繰り返す必要がある、ということになります。
理想は自分のビジョンが周囲に浸透し、それぞれが自分の言葉でビジョンを語るようになってはじめて「伝わった」といえるのでしょうから、実際は上記以上伝えることが必要になってくるのでしょう。

「自分の思いを何回も繰り返し伝える」という考えは、初めにコンサルティング先でお世話になった会社の社長から聞かされたものでした。「寝ても覚めても同じことを何百回と言い続けるのが社長の仕事だよ」と聞き、「同じようなことを何回も言うなんて、社長になるとは大変だな」と感じたものです。

必死に伝えられる程の「迫力ある思い」を持っているか

何度も自分の思いを伝えるためには、まず自分自身がその思いに深い納得感をもっていることが必要です。なりふり構わず、ただ情熱だけで語れるくらいの大きな志を持っていることが絶対条件であるといえます。

思いには、大きく分けると2種類あります。自身の欲求を叶えることが目的の「野心」と、人々の幸せを叶えることが目的の「志」です。いい車に乗りたい、いい家に住みたい、有名になりたいなどなど、自分を主体においた思いが野心なら、家族や会社、地域や社会全体の問題を解決しようとするのが志であるといえます。
野心も大事ですが、時に利己的・短期的な視点から生まれる思いとなるため、周囲はもちろんのこと、自分自身にも長期的に深い納得感を与えることは難しいでしょう。自分を奮い立たせ、周りを巻き込めるような思い、自分も他人も熱くさせられるような思いは、自ずと社会的意義の大きな「志」になるのではと思います。

この記事を読んでいる読者の皆さんは、人を巻き込むリーダーの方も多いと思います。だからこそ、社会を良くしていこうという「志」で発信する。大きな志を持った方がなりふり構わず意気込んで語る姿を、私は心底「格好いい!」と感じるのです。

思いを語るのは自分自身のためにもなる

何度も自分の思いを語るというのは、周囲に自分の思いを理解してもらうためという意味合いでお伝えしてきましたが、一方で語っている自分にもプラスの効果を発揮します。ビジネスの世界でいう「オートクライン」と呼ばれる効果がそれです。
オートクラインとはもともと「自己分泌」という医学用語で、転じて「自分の発している言葉が自分の耳から伝わり、自分自身にも作用を及ぼすこと」を指します。頭の中にある漠然とした思いを言葉にしたことで、考えが整理された、新たな気付きが得られたという経験のある方も多いでしょう。自分一人で悶々と考えるだけでなく、周囲に話してみることで思いはより明確なものになっていくのです。また、周囲からフィードバックを受けることから、思いや方向性はより強固で盤石なものになっていきます。
思いを語るのは周囲を巻き込むためだけではなく、自分自身にとってもなくてはならない過程なのです。

日本では、「察するのが美徳」「聞き過ぎるのは失礼」というような雰囲気があり、表現することを怠っているリーダーも中には見られます。
「自分だけがわかっていれば良い」では、周囲を思うように動かすことは難しいでしょう。時間がかかり、すぐに効果が現れるようなものではないにしても、「自分の思いを繰り返し表現する」という行動は、リーダーにとって非常に重要なものなのです。

【出典】
※『経営者になる 経営者を育てる』(菅野寛、ダイヤモンド社)

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yuma
yuma
SOOLファウンダー。異彩人材を次々に惹き付ける独特の声、才能を引き出す不思議な眼力を持ち、人間をこよなく愛する3児のパパ。子供達があこがれを抱くかっこいい大人で溢れる世界を作ることを目指して旅を続ける。同じ志とパワーを持つ伝道師の発掘と育成に命を注ぐ。

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