自らコミュニケーションのパイプを刺す

コミュニケーションビジネス

「挨拶は大事だ」「挨拶をしよう」――そんなことを、小さい頃から耳にタコができるくらい聞いてきたと思います。しかし、誰に対しても明るくコミュニケーションできる人というのは案外少ないものです。身内ならともかく、ご近所の方や店員さんなどになるとそっけなく接してしまうという人も多いのではないでしょうか。
私はというと、これまで自らコミュニケーションをすることで人との関わりを広げてきた例をいくつも見てきました。ここではその例を示しながら、「自らコミュニケーションのパイプを刺す」力についてご紹介しましょう。

挨拶のチカラ

私の友人は、引っ越した先々ですぐに行きつけのお店を作れるという隠れた特技を持っています。単によく行くお店というだけではなく、店員さんと顔なじみになったり、サービスしてもらえるようなお店ができるのです。その友人を観察していると、彼は挨拶によって店員さんとの距離を縮めているのを感じます。
定食屋であれば、お店に入る時に「こんにちはー!」と言いながら入ります。注文する時にも、相手の目を見ながら注文、「お願いします」と一言添えます。料理が来た時には「ありがとう」、食べる前には「いただきます」、食べ終わった後は「ごちそうさま」と口にします。「おすすめのメニューはありますか?」「モーニング始めたんですね!」「三軒茶屋にも同じお店ありますよね」など、気になったことは遠慮なく店員さんに聞きます。
これを2、3回続けると、店員さんからも「いつもありがとうございます」と声をかけられるようになっています。「いつもの」で注文が通じるようになったり、時には大盛りのサービスをしてもらえるようになったり。行きつけのお店の忘年会に呼ばれるなんてこともあったそうです(笑)。単なる定食屋から、心休まる居場所の1つへと昇華していくのです。

何か特別なことをしているわけではなく、ただ気持ちのいい挨拶をしているだけです。挨拶とはすなわち、「コミュニケーションのパイプを刺す」こと。お互いに心の壁がある状態から、自らパイプを刺してコミュニケーションを開始し、打ち解けるきっかけを作るのです。挨拶を通じて、単なるお客と店員という関係を超え、親密な関係へと発展させることができます。

値段が高くても買ってしまう!商売繁盛の秘密

挨拶で商売が繁盛している例として、近所にあった花屋を忘れることができません。
私が以前住んでいた最寄りの駅前には、AさんとBさん、2つの花屋がありました。値段だけで比較すると、Aさんの方がBさんのお花の倍くらいします。単純に比べたら、Bさんの方で買った方がお得です。しかしお客さんが集まるのはAさんのお店。私もAさんのお店でしばしばお花を買ったものです。
何が違うのかといえば、やはり挨拶。Aさんのお店の前を通りかかると、決まってAさんの方から声をかけてくれます。家族みんなの名前を覚えてくれていて、「奥さんは元気かい?」「さっき○○君が帰っていくのを見たよ」などと話をしてくれるのです。気軽にコミュニケーションがとれる気さくな方だったので、お花を買う時にはいつもAさんの方を選んでいました。引っ越すという時には、わざわざ家族でお店にうかがって挨拶をした程です。

重要なのは、常連客だから挨拶をしてくれるというのではなく、挨拶によって親近感がわき、結果として常連客になったということです。花屋さん自らが「コミュニケーションのパイプを刺す」ことを行った結果とも言えるでしょう。店先で通りすがりの人に一声かける――今の時代には珍しいと思われるかもしれませんが、心の壁を超え、なじみのお客に支えられている花屋さんをみていると、基礎は挨拶なんだと深く納得してしまいます。

照れくさくても大丈夫!まずは自ら「コミュニケーション」してみよう

これまで挨拶をあまり習慣にしていなかった人は、自分からコミュニケーションをすることに抵抗を覚えるかもしれません。そんな方にも、私は「まずは口に出して挨拶をしてみよう」とアドバイスしています。
マジックキーワードとして、挨拶をした後に、「最近どう?」と一言添えることをお勧めしています。さらに奥さんや子どもの名前を入れて、「○○さんは最近どうですか?」と聞くとなお効果は高いです。社交辞令で挨拶するだけでなく、相手の状況を聞くことでより親密な関係が醸成されます。
その他にも、笑顔をつけるとか、声の抑揚をつけるとか、テクニックとしてはいろいろとあります。しかし、そうしたテクニックにとらわれる必要はありません。コミュニケーションに慣れておらず、照れくさそうな表情を見せたとしても、恥ずかしいのは自分だけ。相手はむしろ、「自分のために頑張ってくれているんだな」と親近感を覚えるものです。

人は大人になるにつれて、周りの目を気にしたり、恥ずかしいと感じたりするようになり、ちょっとした挨拶でさえもおっくうになってしまうものです。しかし、たとえ見ず知らずの間柄であっても、コミュニケーションの第一歩である挨拶をこちらから投げかけることで、不思議と人間関係は深まっていくのです。
「自らコミュニケーションのパイプを刺す」――照れくさくても大丈夫、まずは自分から一声かけてみましょう。きっとあなたと同じような明るい言葉が返ってきますよ。

yuma
yuma
SOOLファウンダー。異彩人材を次々に惹き付ける独特の声、才能を引き出す不思議な眼力を持ち、人間をこよなく愛する3児のパパ。子供達があこがれを抱くかっこいい大人で溢れる世界を作ることを目指して旅を続ける。同じ志とパワーを持つ伝道師の発掘と育成に命を注ぐ。

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